G-EXPERIENCE

体験した気にさせる物語ってどうなってるの?

「藤沢朗読劇」が面白いのはどうしてか?

 「藤沢朗読劇」という、もはやジャンルがあります。
 どんなものか? 
 わたしの勝手なイメージでいいますと、元・歌舞伎役者さんが「少年ジャンプ」にあてて書きました! みたいな話だよ…。って、どんなだよ! (大変失礼ながら)今回は「Relic ~tale of the last ninja~」をとりあげ、本音で書いちゃいますね。

Relic~tale of the last ninjya~

Relic~tale of the last ninjya~

  • メディア: Prime Video
 

 どこかで見たキャラクターに、どこかでみたストーリー(面白いんですけどね)。展開も予想できてしまいます(いや面白いんですよ)。「この先、どうなるの?」とはなりません。なのに、見てしまう(聴いてしまう)。世界に惹き込まれちゃうんです。

 似たような話を知っているのに見てしまう、一体どうしてなんだろう。これが今回の記事です。(不愉快な方、ごめんなさい)

 藤沢朗読劇というくらいだから、藤沢さんという方がやっておられます(藤沢文翁氏)。普通のブログなら藤沢文翁さんのプロフィールを紹介したりするのでしょう(超多才な人!?)。ですが私はwikiや昔のインタビュー記事程度しか調べられなかったので、接しやすい作品から考察したいと思います。

ストーリー

 無礼なことを書いたくせに、ストーリーを書いちゃいます。
 江戸時代の初期、風魔小太郎が処刑された。主人公は、小太郎の息子。忍術を知らない彼は、食うに困って元・風魔たちを尋ねる。だが風魔忍者といわれた人たちは職をなくし、ちんけな盗賊をしていた。
 幕府は捕縛しようとするが、術をつかって逃げ延びられてしまう。そこで、元忍者を使った、大々的な征伐に乗り出しす。最後の忍者たちが必死にあがく物語。
 中高生のメンタルをもつ男子なら好きそうな話ですよね。もちろん、私も好物です。

キャラクターが面白い!

 そもそも物語の面白さとはなんでしょう。大きく三つあると思います(もちろん、他にもあると思いますが)。1つ、ストーリーが面白い。2つ、キャラクターが面白い。3つ、作品に知的好奇心をくすぐるなにかがある。
 藤沢朗読劇の面白さは2つ目のキャラクターではないでしょうか。それも極端に。だからか、アニメよりも朗読劇の方が面白いです。
 怒られるかもしれませんが、アニメよりも裏話を声優さんと対談されるYou Tube番組の方が楽しいんです。


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声を使ったパフォーマンス

 アニメだとどうしても、こんな表情しないでほしいとか、背景とあってないとか。人によって多様なマイナス要素がでてしまいます。
 ですが、朗読劇は違います。それは自分の脳内で作り出しますので、常に修正されます。
 もちろん、出演者には力量が求められます。ですが、藤沢朗読劇に参加する声優さんは日本のトップクラス。いや、世界最高峰の声をもつ人たちです。
 声優さんを使って最大のエモーショナルを引き出す台本。声を使ってのパフォーマンスが面白いんです。
 その声に自分で詳細をイメージして補完修正するわけですから、面白くしかなりません。

切り取り方もすごい

 豪華キャストさんの力はもちろんですが、ストーリーの切り取り方も面白いのだと思います。
 映画なら2分で済ますような出会いのシーンを、20分近くやったりします。キャラクターが馴染んでからアクションがあるんです。
 声を使ったパフォーマンスだからといって、萌えるセリフばかり言っているのではないんです。どちらかというと、日常のやりとりが多い。だからこそ、世界にのめり込んでしまう感覚。
 落語で例えるなら、古今亭志ん生をみたようなインパクトに近いです。
志ん生師匠を語るときに古今亭志ん朝さんを出すのはどうかと思いますが)志ん朝の方が聞きやすいし、楽しいと思います。「落語って初めて」という方には志ん生より志ん朝をおすすめします。
 ですが、志ん生は面白い。間のとり方なのか、呼吸なのか、わかりません。でも、クセになるんです。藤沢朗読劇にも、そんな不気味な面白さを感じるんです。