「トータル・リコール」をオーディオドラマでやるなら
※ネタバレがあります。ご注意ください。
玄田哲章、シュワと一緒に生きてこられたのは光栄の至り/映画『トータル・リコール』玄田哲章コメント
ストーリー
妻が嫌がるのでバーチャルで火星旅行へ行こうとする主人公。だが、すでに行ったことがあるらしい。「私は一体誰なんだ!?」 自分からのメッセージを受け、身近な人に襲われながらヒントをたどると、実は私、悪い長官の手先であると知る…。
面白いシナリオなのですが、解釈が分かれる作品でもあります。これでハッピーエンドなのか。それとも、物語そのものも、バーチャルな体験にすぎないのか、と。
ラストシーン、キスをすると、画面が真っ白になってしまいます。これは、何を意味しているのでしょうか。
夢なんじゃないの?
私は夢オチなのではないか、と考えています。
冒頭リコール社で火星旅行をお願いしますが、そのオプションが劇中でことごとく展開されるんです。
リコール社で、タイプの女性を聞かれて、設定された美人がヒロインとして登場します。
シュワちゃんが大柄のおばさんに変身して保安検査場を突破しようとするシーン。有名なシーンですが、このおばさん「2 weeks」しか言わない。リコール社でも火星旅行は2週間だと言われていました。
さらに、なぜか人間に都合のよい空気を作り出す装置を作っておいてくれたエイリアンたちの存在も妙です。しかもその起動装置は、4本指の手形。なのに、5本指のシュワちゃんで起動してしまいます。
つまり、冒頭に言われたことがのちのちに実現してゆく。ギリシャ神話のような、アラビアンナイトのような、じつは古典的な手法が使われているといえます。
ですが、そのまま受け取ってハッピーエンドともいえるかと思います。この物語は二重の現実性を扱っているのかもしれません。
自分の映像と出会うシーンがヤバい
長官「おれの話だけじゃ不安だろ? 君が信頼できる人間を…」
クエイド「おれのお袋かい?」モニターをつけると、リラックスしたクエイドの顔
クエイド「やあクエイド。クアトーが死んだので、これを見ているわけだ。君をひどい目に遭わせてすまない。おれ達の仲だ、勘弁を。君に幸せと長寿を祈りたいが、残念ながらそうはいかない。僕の身体を返してもらいたいのだ。何といっても最初の持ち主だからね。アディオス友よ。君が殺されなかった事に礼を。いつか夢で会おうぜ。じゃあな」
モニターのクエイド、長官と肩を組んでいる
※引用:Amazonプライムビデオ「トータル・リコール (字幕版)」https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B081B64931/ref=atv_dl_rdr?autoplay=1 1:26:28~
正直、ビビった
自分さがし系のドラマは、結局自分なんてないんだ、とかいうオチが多い。知らない他人から、ああだこうだいわれて気づくみたいな。
でも、この映画では、自分からこうだよといわれる。夜中にトイレ行ったら自分が座ってたくらいビックリです。
未来の自分や、記憶にない過去の自分から、説明を受けるとビビりますよね。
オーディオドラマなら
過去に書いた手紙が帰ってきて、事件のヒントになっているとか。自分の手帳、自分の書いたものが記憶にないんだけど、探っていくと…。というように使えるのかもしれません。
自分の身体の傷を検証すると、幼い頃の両親の秘密をしるなんてのも面白いですね。