スターウォーズ ストーリー日本語版(1977)のレビュー
「結局、何回聴いたの?」
オーディオドラマ版の「スターウォーズ」!!
スターウォーズ好きな人、聴いたことあります? これ、マジでイイっすよ。
(愚痴)Amazonいいんだけど、レコードなのに1万円近くする(たけぇー!)。「スターウォーズストーリー日本語版」でググってみれば、動画がでてしまう…。誰だこんな悪いことするのは! つい聞いてしまったらどうするんだ! ダークサイドに落とす気か! MP3かCDはないのか! もっと安くしてくれ! YouTube、このやろー!(どうもありがとう)
エピソードⅣ 新たなる希望
スターウォーズを何も知らない人におすすめするなら、ズバリ「スターウォーズ/エピソードⅣ 新たなる希望」の映画版です。(オーディオ版とちゃうんかぁ~い!)
物語をざっくり説明すると、青年ルークが成長するお話です。ただ世界観はSFアクションというか…。黒澤明「隠し砦の三悪人」みたいです。
映画を見て気に入った人は、そのあとで是非オーディオ版もおすすめしたいんです。
オーディオ版のストーリーは「エピソードⅣ 新たなる希望」そのもので、大方の流れもそのままです(短縮版って感じ)。
文句があるんすけど
あ! オーディオ版、まだ聴かないでください! 注意事項があります。
とりあえず、聞いてみると「ん? 子ども用?」「つまんなぁ~い」となってしまうかも、なんです。
キャラクターもストーリーに解説のナレーションが入るため、分かりやすすぎて、歯ごたえがないのです。(絵がありませんから初見の人に解説ナシは辛い)
落語でSFっぽいことをやる人がいます。ですが、こちらはSFアクションで単なるSFとは違います。どちらかいうとアクションが重要なのに、絵がない。だから解説は仕方ないけど…。
さらにですね、シンプルなストーリーのくせに、主人公ルークが登場するまで6分36秒かかります。映画なら待てますよ、でもオーディオドラマでは遅い! ちょっといじっても良かったんじゃないのかなぁ、なんて気が。
まだありまして、「ジェダイの騎士」を「ジェディ騎士」なんて言われるんです。「ジェディってなんじゃい?」「ジェダイは日本語のジダイゲキからきとるのを知らんのか!」
と、ここまで文句ばかりですが、でもなぜか、何度もききたくなるんです。…ホントです。
聴くほどに良くなる
オーディオ版は、聴けばきくほど物語のイメージが膨らんでゆきます。「行間」を脳が勝手に補っていくんですね。回を重ねるほどに自動補正が効いて、さらに良くなっていくんです。これは、同じ落語を何度聞いても楽しめる感じに近いかもしれません。
ジョーゼフ・キャンベルが「神話の力」(早川書房)で指摘しているように、スターウォーズは神話の構造をもってます。だから聖書のように、何度体験しても飽きないのかもしれません。
とにかくイイ!
お姫様を助けにいったら姫が暴れん坊っていう、単純なんだけどスッキリ楽しめる作品。アクション映画のカタルシスがしっかりあります。
チャンバラ映画もあり、ガンベルトぶら下げドンパチもあって、カッコいい戦闘機がでてきて「おもちゃ箱をひっくり返した」面白さなんっす。
大好きなお金の話
映画「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」の製作費は$11,000,000でした。1977年ですから、今のお金と違いますが、ざっと1分を作るのに1000万円かかってます。
「たかっ!」と思いますが、後年作られた「ファントム・メナス」(1999年)は製作費が$115,000,000ですから、ざっと1分1億円!
10倍になって恐ろしささえ感じますが、スター・ウォーズにはまだまだ新作が!? ちなみに「フォースの覚醒」(2015年)の製作費$245,000,000ですから、ざっと1分2億円っす。
オーディオドラマがいくらかかったのか不明ですし、時代も1977年から2015年と同じように考えてはいけませんが、そんなことはどうでもいいじゃないっすか(ならいうな)。
つまりですね、オーディオ版が仮に「制作費1000万かかった」としても、昔の映画の1分しか作れないんすよ! 冒頭1分では、ルークが登場できないわけです!!(これがいいたい)
予算から考えてみれば、オーディオ版の方が断然にお得で、対費用効果は抜群です。
たまらない声優陣!
まず主人公ルークに、あの神谷明!(「北斗の拳」ケンシロウ、「名探偵コナン」毛利小五郎)
レーア姫は潘恵子(「機動戦士ガンダム」ララァ・スン)
ハン・ソロは羽佐間道夫(ハリソン・フォードやスタローンの吹き替え)
贅沢すぎて、もうこれ以上、いいだろうと思いますよね。ここからがさらに凄いんです。
オビ・ワンを納谷悟朗(「ルパン三世」銭形警部)ですぜ。さらに、ターキン総督がなんと山田康雄(ルパン三世!)!!! もはや「ルパン三世」のスピンオフ作品といっても過言では…
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スターウォーズのオーディオ版は、はじめての人にはおすすめできませんけど、でもでも、やっぱり、ああ~、大好き! フォウ!!